コラム|AI活用

生成AIの方針、中小企業の3社に1社近くは未定。米国・中国・ドイツと比べた情報通信白書の数字

公開:2026-11-02 更新:2026-11-02 文:渡部 秀雄(DXプランニング代表)

参考に比較:米国・中国・ドイツ

生成AIの方針を決めていない中小企業は31.5%、中国の企業(全体)は2.3%です。令和8年版情報通信白書の4か国比較から差が出ている場所を示し、日本の中小企業が最初に決める方針の形を選ぶ判断材料を整理します。

御社の中 面談の録音 社内の文書 社内のAI 議事録 送らない 外部のAIサービス

例えば月曜の朝、会議が終わってすぐ、若手社員が生成AIでまとめた議事録を社内に回してきたとします。便利なのは確かです。ただ、会社として使ってよいと決めていたかと聞かれると、答えに詰まる方も多いはずです。

総務省の令和8年版情報通信白書(2026年7月公表)では、生成AIの方針を明確に定めていない中小企業は31.5%でした。3社に1社近くです。中国の企業全体では2.3%、米国では7.8%です。

この記事では、米国・ドイツ・中国と比べた白書の数字から、日本の中小企業が最初に決める方針の形を選ぶときの判断材料を整理します。

この記事の要点
  • 生成AIの方針がある中小企業は58.1%です。大企業は74.0%、中国の企業は95.4%です。
  • 業務での利用は日本86.4%、米国90.9%で、差は小さいです。差が大きいのは、方針・責任者・学習させない設定のほうです。
  • 海外は「使わない」も方針として決めています(禁止は米国9.1%、日本3.5%)。
  • 最初の一手は、会社として生成AIを使うかどうか(積極的に使う・範囲を限って使う・使わない)を決めることです。続けて業務を3つに絞り、学習の設定を確かめ、責任者を決めます。記事の最後に、そのまま使える1枚を置きました。

白書が示す、中小企業のAI方針の今

結論から書きます。生成AIの方針がある中小企業は58.1%です。31.5%は方針を明確に定めておらず、9.3%は「わからない」と答えました。10社のうち3社ほどは、会社としてまだ決めていません。

使うかどうかを決め、業務・設定・責任者へ進む生成AIの方針を決める4つの手順手順1使うかを決める手順2業務を3つ手順3学習の設定手順4責任者と説明出所:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年)
生成AIの方針を決める4つの手順

数字の出所は、白書の企業調査です。選択肢は「積極的に活用する」「活用領域を限定して利用」「利用を禁止」「方針を明確に定めていない」「わからない」の5つです。

「方針あり」は、最初の2つの合計です。分母は「わからない」を含むすべての回答です。

大企業との差がいちばん大きいのは「積極的に活用」です。中小企業は20.4%、大企業は34.6%で、約14ポイント違います。方針を定めていない企業は、中小企業が31.5%、大企業が15.0%です。

組織的な取り組みがない企業は、中小企業が45.6%、大企業が18.1%です。方針だけでなく、会社としての動きにも差があります。

白書は、前回(2024年度調査)の値も参考に並べています。前回、中小企業で方針があったのは34.3%(積極17.5+限定16.8)、定めていない企業は47.6%でした。

今回は23.8ポイント伸びました。そのうち20.9ポイントは「範囲を限って使う」の増加で、「積極的に活用」の増加は2.9ポイントです。全面的に使うより、範囲を決めて使う形を選ぶ企業が増えたと読めます。

白書は2つの年を並べていますが、回答した企業が同じとは限りません。伸び幅は目安として読んでください。

自社がどちらの側にいるかは、次の5つの問いで確かめられます。この記事のゴールは、5つすべてに「はい」と答えられる状態です。

4か国を同じ物差しで並べると、日本はどの項目でも4か国の中で最も低い割合です。

自社への問い日本米国ドイツ中国
①会社として使うかどうかを決めているか68.982.882.295.4
③入力が学習に使われない仕組みを確かめたか19.932.234.147.8
④推進の部署や責任者が決まっているか27.939.945.955.6
⑤使い方を学ぶ場があるか39.962.760.471.7

数字は、それぞれ「できている」と答えた企業の割合(単位:%、各国の企業全体)。①は方針がある企業(「積極的に活用する」と「活用領域を限定して利用」の合計)で、日本の中小企業だけでは58.1%です。②(使ってよい業務)は国別の数字がないため表に入れていません。日本の数字は手順2で紹介します。出所:総務省 令和8年版情報通信白書(CSV:f00027_01、f00028_01、f00030_01、f00031_01、f00036_01)

では、海外の企業はどこが違うのか。4か国を同じ物差しで並べます。

米国・ドイツ・中国との比較

白書は、日本・米国・ドイツ・中国の企業に同じ質問をしています(2025年度の企業向け調査、2026年7月24日公表)。まず、方針があるかどうかから比べます。

差がいちばん大きいのは「方針を明確に定めていない」です。日本は他の3か国の2〜9倍あります。

国・区分方針あり方針未定禁止
日本68.920.23.5
日本の中小58.131.51.2
米国82.87.89.1
ドイツ82.29.77.8
中国95.42.31.9

単位:%。「方針あり」は「積極的に活用する」と「活用領域を限定して利用」の合計。分母は「わからない」を含む全回答。出所:総務省 令和8年版情報通信白書 図表I-2-1-1・I-2-1-2(CSV:f00027_01、f00028_01)

一方、業務で使っている割合の差は小さいです。生成AIを1つ以上の業務で使う企業は、日本86.4%、米国90.9%、ドイツ91.6%、中国98.1%です(「わからない」を除いた割合)。日本は2024年度の55.2%から大きく伸びました。

つまり、差が残っているのは「使っているか」より「会社として決めているか」のほうです。

表の「禁止」の列も見てください。米国は9.1%、ドイツは7.8%で、日本の3.5%より高い値です。海外では「使わない」と決めることも方針の1つとして明確にしています。

他の3か国は、2024年度からの動きが小さいです。方針ありは米国84.8%→82.8%、ドイツ76.4%→82.2%、中国92.8%→95.4%でした。日本は49.7%→68.9%で、差が縮んだのは主に日本が伸びたためです。

次に、体制とリスク対策を比べます。

差が開くのは、責任者・学習させない仕組み・導入時の審査の3つです。

国推進の責任者が明確学習させない仕組み導入時の専門審査
日本27.919.926.1
米国39.932.252.5
ドイツ45.934.138.1
中国55.647.859.0

単位:%。白書の項目名は「取組を推進する部署や責任者が明確」「入力データを学習データとして利用できない仕組みを導入」「企画・導入段階で専門的な知見から審査する体制」。出所:総務省 令和8年版情報通信白書 図表I-2-1-4・I-2-1-9(CSV:f00030_01、f00036_01)

全社的な指針やガイドラインを整備している割合は、日本41.1%、米国50.4%、ドイツ39.6%、中国40.3%です。指針の紙そのものでは、大きな差はありません。

以前、「生成AIの社内ルールの作り方」で、差が大きいのは指針の紙より組織としての取組だと書きました。今回の数字も、その見方と合います。

「方針未定」と「推進の責任者」は、どちらも費用をかけずに社内で決められる項目です。日本の中小企業が最初に手を付けやすいのは、この2つです。

国の推進策の形も違います。日本はAI事業者ガイドライン(法的な強制力のない指針)が中心です。中国は国務院の意見(国发〔2025〕11号、2025年8月26日公表)で、2027年にスマート端末やAIエージェント(指示に沿って、いくつもの作業を続けて行うAI)の普及率70%超を目標にしています。

この意見に、中小企業を名指しした条項はありません。ただ、工業情報化部の副部長は2026年7月16日、中小企業のデジタル化の研修の場で、AIの活用を深めると述べました(新華社配信)。

ただし、海外の数字には調べ方によって大きく違うものがあります。並べる前に、読み方を確かめます。

数字の読み方:同じ米国でも19.8%と82.8%

米国には、白書と大きく違う数字もあります。米国国勢調査局の企業調査(BTOS)では、直近2週間にAIを使った企業は19.8%でした(2026年5月3日時点、5月26日公表)。白書の米国は、方針あり82.8%、業務利用90.9%です。

差が出る理由は、米連邦準備制度理事会の分析記事(FEDS Notes、2026年4月3日)が整理しています。

  • 企業の数で数える。5人未満の企業が、全企業の約57%を占める
  • 「直近2週間」に使ったかどうかだけを聞く
  • 2025年11月に、質問を「財・サービスの生産に」から「あらゆる業務に」へ変えた
  • 回答者の約10〜11%が「わからない」と答える

従業員の数で重みをつけた別の調査(企業の不確実性調査、SBU。2025年11月)では、78%になります。同じ国でも、数え方で割合は大きく変わります。

規模による差もはっきりしています。BTOSでは、250人以上の企業が37%、100〜249人が32%、4人以下は20%未満です。20人未満の企業は、2025年12月から2026年5月まで有意な変化がありませんでした。

ドイツのIT業界団体Bitkomは、20人以上の企業に聞いています。AIを使う企業は20%(2024年)、36%(2025年9月発表)、57%(2026年9月発表、603社)と増えました。「関心なし」は41%、17%、4%と減っています。

白書・BTOS・Bitkomは、数え方も、対象とする企業の大きさも違います。数字を横に並べて、どの国が上かを決めることはできません。同じ調査の中での推移として読むのが確かです。

「〇割の企業がAIを導入」と聞いたら、3つを確かめます。①どう数えたか(企業の数で数えたか、従業員の数で重みをつけたか)、②何を聞いたか(直近2週間の利用か、方針か)、③何人以上の企業か、です。取引先の話や報道の数字を読むときにも使えます。

では、この比較から、日本の中小企業がそのまま使える点と合わない点はどこか。次の節で、方針を決める手順として整理します。

海外の知見をどう活かすか:方針を決める4つの手順

そのまま使える点は3つです。「使わない」も含めて方針を明確にすること、学ぶ場をつくること、学習させない設定を確かめることです。

合わない点もあります。米中に多いのは、社内データを学習させたり参照させたりするデータベースづくり(米国57.2%、中国73.0%)と、導入時の専門的な審査(米国52.5%)です。白書は、3か国が顧客向けの製品にも生成AIを使っていると分析しています。

社内の文書作業が中心の中小企業が、いきなりまねる必要はありません。国の数値目標で一気に広げる中国の方式も、日本とは制度の前提が違います。

手順 1会社として使うかどうかを決める

社内で使っている人はいるが、会社として使ってよいか決めていない

「積極的に使う/範囲を限って使う/使わない」のどれにするかを決め、短い文で社内に示します。

中小企業の31.5%は、まだ方針を定めていません。前回からの伸びも、ほとんどが「範囲を限って使う」の増加(+20.9ポイント)でした。例えば「議事録とメールの下書きに限って使う」と決めておけば、黙って使われている状態を減らしやすくなります。

手順 2使ってよい業務を3つに絞る

どの仕事に使ってよいか、社員から聞かれて答えられない

議事録・メールの下書き、資料の要約、社内の問い合わせへの回答から始めます。

白書の調査では、議事録・メールの作成補助に生成AIを使っている日本の企業は71.2%でした。「業務の進め方をAI中心に変えた」「部署の特定の業務で使っている」「社員が個人の作業の効率化に使っている」の3つを合わせた割合です。同じ数え方で、営業・販売は59.6%、社内ヘルプデスクは50.9%でした。人事・調達・法務・経理は未導入が3割を超えるので、最初の範囲から外してかまいません。

手順 3入力したデータを学習させない設定を確かめる

顧客名や社内の数字を入れてよいのか不安がある

使っているツールごとに、学習の設定と確かめた日を書き残します。

入力したデータを学習に使えない仕組みを入れた企業は、日本が19.9%、中国が47.8%です。日本の企業でいちばん多い懸念は、社内情報の漏えいなどのセキュリティリスクでした。個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日)も、個人データを入れる場合は、学習などに使われないことを十分に確かめるよう求めています。

学習の扱いは、契約の版によって変わることがあります。公式の説明と設定画面の両方で確かめてください。

外に出したくない情報を扱う業務なら、ローカルAI(手元の機器で動かすAI)も選択肢です。私も手元の機器でローカルAIを動かし、業務の下書きや記録づくりに使っています。

手順 4責任者を1人決め、社員に説明する

方針を決めても、社員に伝わっているか分からない

推進役を1人決め、会社の方針と使ってよい業務を社員に説明する日を予定に入れます。

推進の責任者が明確な企業は、日本27.9%、ドイツ45.9%、中国55.6%です。学ぶ環境がある企業は、日本39.9%、ドイツ60.4%でした。Bitkomの調査では、研修をしないドイツの企業が1年で43%から25%に減っています。

4つの手順は、それぞれ次の悩みに効くと考えられます。

  • 手順1・2:誰が何に使ってよいか分からない状態を減らしやすくなります
  • 手順3:情報が外に出ないかという不安を、確かめた記録で減らしやすくなります
  • 手順4:方針が社員に伝わらない心配を減らしやすくなります

前の節で触れた「生成AIの社内ルールの作り方」では、入れない情報や保存先など5項目のルールを作る手順を書きました。今回の手順1と2は、その第1版を作る前の段階に当たります。方針と業務が決まったら、そのまま5項目に進めます。

方針が決まると、次に広がる業務も見えてきます。

議事録の次に広がる業務と業種

日本で活用が進んでいるのは、文書の作業です。生成AIを何らかの形で使っている企業の割合は、議事録・メール作成補助が71.2%で最も高く、営業・販売(59.6%)、社内ヘルプデスク(50.9%)が続きます。

一方、未導入の割合は人事35.4%、調達35.0%、法務32.8%、経理・財務30.8%です。ここはまだ、これからの領域です。

その先にあるのがAIエージェントです。Bitkomの調査では、AIを使っているか、計画・検討しているドイツの企業のうち、AIエージェントを使っている企業が11%、計画中が29%、検討中が31%でした(2026年9月)。白書では、社員がAIアプリやAIエージェントを開発できる技術環境がある企業は、日本15.3%、中国31.1%です。

業種でも差があります。BTOSでは、AIを使った企業は情報業で39.7%、金融・保険で33.9%、小売で約14%でした(2026年5月)。専門・科学・技術サービスは約33%です(FEDS Notes)。

サンフランシスコ連銀によると、2024年の調査で、米国の小規模企業のほぼ40%がAIを使っているか、使う予定でした。用途は生産性、マーケティング・SNS、文章、画像、顧客対応、分析などです。使わない理由には、精度や知的財産への懸念、人が対応することを大事にしていることが挙がっています。

使う場面が広がると、気にするリスクも変わります。日本は社内の利用が中心で、最も多い懸念は社内情報の漏えいなどのセキュリティリスクです。白書は、他の3か国が顧客向けの製品にも使い、不適切な出力やプライバシーへの懸念が日本より高いと分析しています。

製品・サービスの導入後に定期的な評価・検証をしている企業は、日本29.1%、米国45.7%、ドイツ42.2%、中国51.9%です。日本の企業が外向けに使い始めると、必要な対策も変わってきます。その変化がいつごろ来るかを、公表された予定から見ていきます。

今後の展開

海外の動きを並べると、関心は「使い始める」から「使いこなす」へ移りつつあります。ここでは、公表された予定や数字(根拠)と、そこから読める見立てを分けて書きます。

半年以内:使い方と使わない理由の数字が増える

根拠:米国国勢調査局は2025年11月17日から、15の業務ごとのAI利用や、AIを使わない理由を聞く補足調査を行っています(実験的な統計)。今後6か月でAIを使う見込みの企業は20〜23%でした。

根拠:サンフランシスコ連銀は、AIの質問群を入れた2025年の小規模企業向け調査の分析を、これから公表するとしています。

見立て:「どの業務で使うか」「なぜ使わないか」を示す数字が増え、方針を決めるときの材料が増えると見ています。「使わない」を選ぶ企業にとっても、理由を説明する手がかりになります。

1〜2年:使いこなせるかが問われる

根拠:中国の国務院は、2027年にスマート端末やAIエージェントの普及率を70%超にする目標を掲げています。工業情報化部の副部長は2026年7月16日、「小さく・速く・軽く・的確に(小快轻准)」な製品や解決策を増やし、研究開発・設計、生産・製造、経営管理の場面でAIを深く使うことを進めると述べました。

根拠:ドイツでは、AIを使う企業のうち、AIの潜在力を完全に生かしていると答えた企業はありませんでした。この傾向は、20人の企業から大企業まで、規模によらずほぼ同じです(Bitkom、2026年9月)。

見立て:海外の関心は、使い始めることから使いこなすことへ移っていると見ています。日本の中小企業でも、方針を決めたあとの課題は「決めた業務で本当に役立っているか」になる可能性があります。

その先:外向けに使うなら審査と評価

根拠:中国は、2030年に普及率90%超、2035年に「スマート経済・スマート社会の新段階」に全面的に入ることを目標にしています。白書は、米国・ドイツ・中国が顧客向けにも生成AIを使い、審査・評価の体制を整えていると分析しています。

見立て:日本で外向けの利用が進むなら、全社の指針(日本41.1%)の次に、導入時の審査(日本26.1%)と導入後の定期的な評価・検証(日本29.1%)が求められる可能性があります。

2つの道と、見ておくべき兆し

これから進む道は、AIを社内だけで使うか、社外に出す文章にも使うかで分かれます。

道主な使い方必要になりそうなこと
A 社内向け議事録・メールの下書き、資料の要約手順1〜4と、学習の設定の定期的な見直し
B 外向け見積もりの回答、顧客への返信出力を確かめる人と、導入前の確認の手順

Aなら、今回の手順1〜4で足りる可能性が高いと見ています。Bに進むなら、誰が出力を確かめるかを先に決める必要があります。どちらに進んでいるかは、次の3つの兆しで見分けられます。

  • AIで作った文章を社外に出す場面が増えたか(例えば、問い合わせへの返信の下書きに使い始めた)
  • 取引先から、AIの扱いについて質問されたか
  • 次の白書で、中小企業の「方針を明確に定めていない」(今回31.5%)がどこまで減ったか

年内に手順1で、会社として使うかどうかを決めておくと、Aにとどまる場合もBに進む場合も、そこが出発点になります。次の節では、明日の朝から手を付けられる4つを挙げます。

今日からできること

  1. 会社として使うかどうかを決めて、社内に知らせる。
    どうやって:「積極的に使う/範囲を限って使う/使わない」から1つ選び、理由を1文添えてメールで送ります。
  2. 使ってよい業務を3つ書き出す。
    どうやって:議事録・メールの下書き、資料の要約、社内の問い合わせへの回答から選びます。外す業務(例:人事・経理)も書いておきます。
  3. 使っているツールの学習の設定を確かめる。
    どうやって:ツール名・契約の版・学習の設定・確かめた日を表に書きます。設定画面と公式の説明の両方を見ます。
  4. 責任者を1人決め、社員への説明の日を予定に入れる。
    どうやって:説明では会社の方針と使ってよい業務を伝えます。入れてはいけない情報の表は、「生成AIの社内ルールの作り方」の手順で作ります。
そのまま使える 生成AI方針の1枚目

①会社の方針(1つに○):積極的に使う / 範囲を限って使う / 使わない
決めた日:  年  月  日
理由(1文):

②使ってよい業務
1.
2.
3.
使わない業務:

③ツールごとの学習の設定

ツール名契約の版学習の設定確かめた日

④推進の責任者(役割):
説明の日:  年  月  日

⑤見直す日:  年  月  日
社外に出す使い方を始めるときも、この1枚を見直す。

自社の位置を確かめる5つの問い(はい・いいえで答える)

  • 会社として使うかどうかを決めているか:はい・いいえ(方針を定めていない中小企業は31.5%)
  • 使ってよい業務が決まっているか:はい・いいえ(議事録・メール作成補助に生成AIを使っている企業は71.2%)
  • 入力したデータを学習させない設定を確かめたか:はい・いいえ(日本19.9%、中国47.8%)
  • 推進の責任者が決まっているか:はい・いいえ(日本27.9%、中国55.6%)
  • 使い方を学ぶ場があるか:はい・いいえ(日本39.9%、ドイツ60.4%)
( )内の数字は、総務省「令和8年版 情報通信白書」の企業調査の値(単位:%)。1つ目は日本の中小企業、2つ目以降は日本全体または各国の企業全体の値。

よくある疑問

Q. 社員が数人でも、方針は要りますか。

白書が規模別に示しているのは、大企業と中小企業の2つの区分です。数人規模の企業だけの数字は示されていません。それでも、使うかどうかと、使ってよい業務を3つ決めるだけなら、短い時間でできます。

決める中身は「使わない」でもかまいません。

Q. 使わない、と決めてもよいのですか。

海外でも、禁止は方針の1つとして選ばれています。利用を禁止している企業は、米国9.1%、ドイツ7.8%、日本3.5%です。決めた理由と次に見直す日を書いておくと、あとで方針を変えるときに判断しやすくなります。

DXプランニングで受けられるサービス

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まとめ

日本の中小企業と海外の差は、使っているかより「会社として決めているか」にあります。最初の一手は、会社として使うかどうかを決めることです。そのあと業務を絞り、学習の設定を確かめ、責任者を決めます。外向けに使い始めるときが、見直しの合図です。

出典

この記事を書いた人渡部 秀雄(DXプランニング代表)。IT企業で、企業向けのデータ連携基盤の構築・検証、帳票づくりの自動化、ホームページのサーバー管理から更新までの運用に携わっています。IT担当がいない中小企業・団体の外部のIT担当として、相談から仕組みづくり、保守までを引き受けています。

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